猫は死ぬときに姿を消してしまう?

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噂の出所

猫は死ぬときには姿を消すという言い伝えは、日本でも古くから言われていることであり、信じている人もいるでしょう。
実際に飼い猫ならまだしも、野良猫が道端で死んでいる様子を見たことがあるでしょうか?
そのような姿を見た人は少ないのではないでしょうか。

それは多くの書物の中でもそれらしき事が書かれています。
怪猫奇談や聴耳草紙などにもそのようなことが書かれており、家に居た飼い猫がある日突然姿を消し、それ以来帰ってこなかったという風に書かれています。

柳田國男のどら猫観察記でも似たような記述があり、すでに大正時代から考えられていたようです。
書物に最初に記載があるのが、江戸時代の大和本草であり、そこには猫の9つの特徴として、8番目に死ぬときは人から見えないところに移動すると書かれています。
しかしながらどの書物に関しても、まずは猫は家から去っていき、そしていなくなり、やがて帰ってこなくなるという描写がされています。

もしかすると、猫が姿を消して帰ってこなくなるというのが、いつしか死ぬ間際は人前から去るという話になったのかもしれません。
面白いのは、ひと昔の日本では猫に年期を言うという風習があったそうです。
年期とは猫を飼う期間のことであり、たとえば5年間飼うといえば、5年後には猫が自然と人前から去って姿を消すと信じられていました。

動物学の面から

動物行動学者のデズモンド・モリスは自身の著書の中で、なぜ猫は死ぬときに一人になりたがるのか、ということについて書いています。
それによると、理由は猫の闘争と逃走本能によるものではないかと推測しています。

これによると、死期の近い猫は体調不良を感じるようになります。
そしてその不良の原因は、他の猫などの敵によるものだと解釈し、猫の本能で対処しようと考えます。
しかしながら戦う相手がいないために、必然的に逃走本能により、身を隠すという行動に移るということです。

人間でも体調が悪ければ、一人になってゆっくりと休みたいと思うこともあります。
それと同じように、猫も体調不良になれば、人目に付かないところに行き休んでいる間に死んでしまうということもあるのかもしれません。
またアメリカのある機関の実験によると、猫は悪い環境になると不活性になるという結果も出ており、デズモンド・モリスの内容を裏付けるものがあります。

猫が人前から消えるというのは、野良猫のみならず、放し飼いにしている飼い猫でも起きることです。
それは飼い猫が行方不明になり、人知れずどこかで最後の時を迎えるということになってしまい、それは可哀想なことでしょう。
もしも猫を飼っているなら、そのようなことにならないように、最後まで面倒を見るようにしましょう。