黒猫にまつわる話いろいろ

猫の中でも特に別格の扱いを受けることが多いのが「黒猫」です。

頭からしっぽの先まで全部が真っ黒な黒猫はどことなく神秘的なイメージがあるとともに、世界的に不吉な色として扱われている「黒」を全身にまとっていることでネガティブな意味でも不思議な力を備えているのではないかというふうに思われがちです。

そのため日本だけでなく世界中でも真っ黒な猫を身近に置いておくことで、よくも悪くも不思議な力を引き寄せることができるものと信じられてきた伝説が残っています。

全体的な傾向として悪魔信仰のない日本においては黒猫は幸運招致や魔除けの意味で使われることが多くなっているのですが、ヨーロッパ圏でも妖怪や悪魔の使いという意味はありつつも同時に幸運の象徴として使われている例も多くなっています。

黒猫に関する悪いイメージの伝説として、「黒猫に前を横切られると不幸がある」というものがありますが、実際それほど神経質になることはあまりなくむしろ黒猫を見かけたという幸運の方がピックアップされることが多くなっています。

黒猫が悪いイメージにされてしまった理由

黒猫に悪いイメージがついてしまった一つの大きなきっかけは、ホラー小説の大家であるエドガー・アラン・ポーの「黒猫(The Black Cat)」という傑作小説でしょう。

それまでは比較的マイナーであった黒猫不幸伝説がこの小説が広く読まれることで一気に広がってしまったということは否定できません。

他にも黒猫に横切られたことで不幸が続いてしまったというお話もいくつか伝わっていますが、中世時代はともかく二次大戦後からはそれほど緊張感のある説にはなっていません。

動物愛護の国英国においては黒猫に横切られることはむしろ幸運の象徴として、結婚前の新郎新婦が見かけるのは喜ばしいこととも言われます。

なおヨーロッパ地域では黒猫をモチーフとした商品や企業シンボルも多く、ドイツの有名ワインメーカー「Zeller Schwarze Katz」などではラベル全てに自社シンボルとして黒猫の絵が描かれています。

北欧でも英国・スコットランドやイングランドでもマスコットキャラとして黒猫はかなりメジャーな存在なので今やネガティブイメージはほとんとないと言ってもいいでしょう。

今も根強く残る黒猫差別

しかしその一方で、ヨーロッパの保守的な地方の村などでは未だに悪魔信仰へのおそれから黒猫を迫害する動きも残っていると言われます。

イタリアの田舎町などでは、かつて魔女狩りをしていたときに一緒に黒猫も処刑していたという歴史を受けてか、今も黒猫が生まれると殺害をするという風習があるといいます。

猫の毛並みの色は人間の体質のようなもので全く猫自身に責任のないものです。

これからはそうした猫差別が完全になくなるように、大切に扱われるように私達一人ずつが訴えていきたいところです。